Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days 〜一の巻


ご無沙汰しております。


ジルゼ、ジルゼ再演、カミコン、リップヴァンリンクルの舞台挨拶にCまでナイトなど
色々と参加しておりましたが、レポを書けないまま日常が流れていました。
またアダンバレエのツアーは自身の臨月と重なって行けず(悔し過ぎて実はまだ円盤も見れていない!笑)、
次のライブの見通しも立っていなかったので、すごいもだもだしていたのですが……
そんな中発表された20周年ライブ、一の巻と二の巻!
ここで行かなかったら一生後悔する!とチケットを取り
子の突然の発熱などのハプニングも無く無事参加してきました!


そして、あまりのことに、レポを書かないとこれまた一生後悔する!と、
隙間時間で激しくキーボードを叩くなうであります。
誰の為でもなく、自分の記録と記憶の為に、ライブレポ(+所感)を書き記したいと思います。


Cocco以外でもちょいちょい来てましたが、夏の武道館はザンサイアンツアーファイナルぶりでした。



一の巻。


セットリストはこちら。


01 カウントダウン

02 水鏡

03 けもの道

04 走る体

MC
05 やわらかな傷跡

06 Drive you crazy

07 Raining

08 しなやかな腕の祈り

09 コーラルリーフ

10 陽の照りながら雨の降る

11 手の鳴る方へ

MC
12 ありとあらゆる力の限り
13 ポロメリア

14 強く儚い者たち

15 樹海の糸

16 音速パンチ

17 Rainbow

18 焼け野が原

19 風化風葬
MC
20 もくまおう






1階スタンド南東の前方でした。
個人的に武道館のスタンド席は傾斜が激しいので視界が良くて見やすいし、
前方だとステージもけっこう近いし、全体的な照明効果もわかりやすくて大好きです。
(もちろんアリーナも大好きなんだけど、当日前に背の高い人がこないかずっとドキドキハラハラするので……笑)


一の巻ではツアーグッズパンフと一緒になんとペンライト(というか、正しくはライトペン?)が頒布されていました。
Coccoでペンライトなんて初めて!
昔ジョンレノンスーパーライブに行った時にオノコード(必ず頒布される小さなペンライト)で
客席が星空みたいになっていたのを、Coccoが「わ〜!」って言ってた記憶があるので
一回やってみたかったのかな?とニマニマ。
しかし正直なところ、Coccoのライブは照明も作品の一部なので
それを邪魔しないかな?というのは少し気になりました。
私が行った時にはすでに大方のグッズは売り切れていたのですが
1階席からアリーナを見渡すと、思ったよりハッピを着ている人が少ない。
あのハッピ、今日着ないでどうするの!?と思ったのですが……保存用?
それとも、準備されていた数が少なかったのでしょうか。
買えなかったけど(そして買っても家で着る機会ないけど)めっちゃかわいいよね、ハッピ……笑。こっこ命!


10分くらい押してから、会場にはアディエマスの魂の歌が。
息を飲む。わかる人にはわかる、あの2000年10月6日のライブで流れたのと同じSEです。
気持ちも頭もまったく整理のつかないまま、
真っ暗な舞台にメンバーが現れ、白いワンピースを着たCoccoが登場。
一曲目は、カウントダウンでした。


ちなみに、カウントダウンが始まったくらいまで、
ペンライトを回してちかちかしている人がアリーナにもスタンドにもけっこういました。
が、サビに入ったくらいからピタっと無くなった。
みんな、圧倒されすぎてそんな余裕が無くなったのでは……と、思うくらい、圧巻のサウンドと歌。


1日目の、昔からの、懐かしいメンバーでのライブ、
しかも2000年10月6日のいわゆる「ラストライブ」のオマージュとも言えるような構成で始まったこのライブ
同窓会だろうか、それとも、過去の憑き物落としか、など、最初は少し思っていました。
だけど、違った。このライブは、開始一曲目の時点で、現在のCoccoの最前線だった。
過去の亡霊など、あっさり飛び越えて、もうその姿も見えません。


ライブ初披露の水鏡は、水底から響くような哀切を、
続くけもの道では、完全に神々しい何かが憑依していた。
けもの道はライブで何度も聞いてきたのに、いつだって、今のCoccoのこれが最強なのだと強く思わせる力を持っている。
正直、ここの三曲までで、激し過ぎて、強過ぎて、ノックダウンされてしまいそうだったので
けもの道が終わった瞬間に「ど、どうかここでつよはかあたりが来てくれ……!!」と祈ったんですけど
次に来たのがまさかの走る体。
ライブで聞いたのは初めてです。猟奇と狂気と愛くるしさが、縦横無尽に撃ち込まれて、呼吸をするのも苦しかった。
Coccoの声は冒頭から安定して強く、照明に映えるヘッドバンギングのキレも最高に良く
いつかずっと抱えていた体調への不安みたいなものも、あっさり蹴り飛ばされて
むしろごめんなさいって土下座したくなる激しさ。


この激しい流れって、いつもライブ中盤にくるじゃないですか。
今回は、もう冒頭四曲でラスボスに出会っちゃったパーティー殲滅しちゃって天に召されちゃった、所から
始まるストーリーみたいなライブでした。
ああ、ビックリした。圧巻だった。しかしこれが、Coccoの醍醐味でもあり……。
そして本当にもう、悔しいけど、ネギもテツもオサディもすごいよ……。


ここでMC。二十周年、改めておめでとうございます。
そしてメンバー紹介は、メンバー同士でリレー方式で。
最後、ネギがCoccoを紹介するという流れにして「たまには人前で名前を呼べばいいじゃない」と。
かわいすぎか!(ちなみにライブレポ通じてMCはうろ覚えなので言い回しがちがったらすみません)


ネギは「永遠の乙女でいてください。ここにいる多くの人が彼女の歌に涙したり
動かされたり、してきたと思いますが、僕がその代表です。我らが歌姫、Cocco」と。
ネギ、最高じゃない?


続いて、イントロのギターで涙が零れそうになる、やわらかな傷跡。
そして、そこからなんとDrive You Crazy!!!!間奏でPVの真似をしているCoccoがかわいすぎて!
手拍子を促されて、もちろんクラップしました!楽しい!会場が、ラブとかわいいで満ちる満ちる!
最後の、CRASH!BOOM!BANG!で、BANGされた客席は皆もうメロメロです。
続くRainingはやわらかいアコースティックバージョン。
畳み掛けるように、しなやかな腕の祈り、そしてコーラルリーフと優しく力強い歌が続きます。
コーラルリーフで歌われる、迷いや苦しみを通り超えて、何も持たないまま
ただまっすぐ顔を上げて、新しい朝だけを見つめる眼差しが本当に好きすぎて
最後のドラムの音で本当に背中がピンと伸びるのですが、そこからの……陽の照りながら雨の降る。
泣かない人はいるのか……??? 空に、星が昇って行くよ。もう無理だよ(涙腺が……)と、思っていたら
手の鳴る方へのイントロの時点で、涙腺はダメでした。さようなら。号泣。
失うことよりも、手放すことよりも、もう一度手を繋いで前を向くことの難しさと
だからこその愛おしさ、偉大さ。決意の強さ。
よいし、よいし、泣くなよ。泣くよ。でも、きっと、泣いてもいいんだと思いました、こういう時は。


ここで再びのMC。


「前はCoccoが手紙を書くというと、スタッフが身構えた。新聞の一面広告だったり
(見ました、あの朝は、ひっくり返りました)、
みんなにはがきを送ったり、お金が掛かったから。
そう、今はインターネットでみんなに発信できるけど(先日のTwitterで公開されたお手紙のことですね)
昔はDMリストって言うのがあって、それにお知らせがある度にスタッフがはがきを出したりして、お金が掛かってた。
コォは昔、活動休止の時にそのDMリストを持って逃げました。今だから懺悔します。笑
みんなはCoccoのこと呼べるのに、コォからしたらいつも「みんな」なわけ。
だからそのリストを持って帰って、沖縄で、一人一人書き写して、名前を呼びました。
あの時に、コォが名前を呼んだ人、ここにいる?」


はい。います。いますよここに!!
しかしもはや上手く声が出ないので叫ぶことも出来ない!!そしてそんな人がたくさんいたと思う!!!
何人かの人が「はがき届いたよー!」とか叫んでて、Coccoは嬉しそうで、それが本当に、本当に良かった。
よかった。なんだこれ。生きてて良かった。なんだこれ。こんなの、泣くわ。


実際そのリストだって何千人と居ただろうし、全部名前を呼んでくれたかもわかんないけど
でも何かもうそう言ってくれたことがというか、その気持ちというか
その「みんな」を思ってくれた気持ちが本当に嬉しかった。


ありとあらゆる力の限り。初日のセトリで、唯一、ザンサイアン以降の歌。祈りの先にある、切実な願い。
イントロで世界が変わったのは、ポロメリア。夕陽の色がステージを染めて、メンバーの影が映える。
光の海の中、Coccoの張りのある歌声が、いつかの青空に向かって、豊かに伸びて行く。
そこから、照明は青く染まり、水平線の遠くに流れる雲みたいなギターから、強く儚い者たち。
物語の根底を奏でるネギのベースが、とっても力強かった。木漏れ日みたいな光が零れて、樹海の糸。
そこから一気に光が溢れて、音速パンチ。ここで初めてペンライト使った!笑
「蝋燭ヲ灯セ(あかりをともせ)」でめっちゃCoccoに向かって灯りを灯す!!
会場みんな同じ気持ちだったのか、キラキラ星空と、流れ星みたいでとっても綺麗だった。
そして、Rainbow。ピンクの照明の中で、DSLとテツのドラムに乗せて。
あの2000年のツアーの頃に、Coccoがずっと聞いていた歌。
あれから17年、違う空の下で旅を続けていた「僕ら」が、ずっと夢を見ていた場所で、こうしてまた出会ったんだなと。
そして、焼け野が原。もう、とにかく強い。紫の嵐の中心でCoccoが叫ぶ。
風化風葬は、照明があの日を思わせるものでしたね。忘れてない。忘れなかったよ。


MC。「次の曲が最後になります」と、こういう大きなライブで言うのはあまり聞いたことが無い気がします。
いつもCoccoのワンマンライブは、20曲以上あるのと、この時はあまりにあっという間にすぎてしまったので、
正直「もう!?」と思ってしまった。
(まだ18曲くらいでは!?という体感だった)でもCoccoの言葉が、
もう何か、泣けてしまって(さっきから泣いてばかりなんですけども)


「私たちはもう大丈夫な気がする」
「もう死んでもいい、と思った時から、生きててよかった、というところまで、ここまで一緒に来たね」
「身に余るような素敵な人生をありがとう」
「愛って、一番の自由だと思う」
「この次の歌を歌ったら、あっちゃんは今までで一番自由になれる気がします」


生きてて良かったよーーーーー!俺らとCoccoが両想いになったよーーー!!!(´;ω;`)
と、図々しくもそんなことを思ってしまった……うれしい……すごく嬉しい。
お礼をいくら言っても言い足りないのは、こっちなのに。
そんな風に受け取って貰えたら、こっちこそ幸福が身に余り過ぎて倒れてしまう。
Coccoが幸せだったら、笑っていてくれたらそれでいいよって、ずっとずっと思っていたし
もうそれだけが祈りだったので、何と言うか、何と言うかもう、
我々がライブに足を運ぶことだとか、歌を聴くことだとか
そういうことがCoccoの幸せに繋がったのであれば、もう本当にそれが嬉しいんです。
何か、端から聞いたらそんなの当たり前じゃんってなるかもしれないんだけど、当たり前ではなかったんだよ、多分。
それこそ、長い長い時間をかけて、何度も何度も重ねて来て、20周年の今、それが、「みんな」が、つまり「我々」が
いつだってここにいるし、大丈夫だよっていうことが
Coccoの実感に繋がったのかなって思ったらそれが嬉しかったんです。


このMCの最後の言葉は「さようなら」で、それはあの2000年のライブの時の最後の言葉と一緒で
だから胸がざわつかなかったわけではないんだけど、Coccoの晴れやかな表情を見たら「大丈夫」と思いました。
そう。「私たちは大丈夫」なのです。


もくまおう。約束のもくまおう。
2007年Beat On The RadioのOTODAMA直前の回で、もくまおうが聞きたいって言った男の子に
いつかやるねって約束をした、もくまおうでした。
あの子は今日来てるかなぁ、と一瞬過りました。私もずっと聞きたかったよ。ありがとう。
私の勝手な解釈では、もくまおうは素のCoccoが、歌手のCoccoに向けて「自由になっていいよ」って歌ってる歌だから
あの言葉の後だったので胸が溢れすぎて、ライブが終わったら嫌だという気持ちと、
何だかとても力強い安堵に似た気持ちと、ありがとうという気持ちで、いっぱいでした。
あの日のライブを模すように、客席とメンバーに投げキスを繰り返し
Coccoは笑顔でスキップするように、真っ白なスカートを翻して
アウトロの音と光溢れるステージから走り去って行きました。


2000年10月6日、ラプンツェルのツアーの最終日の武道館、あの日のライブを、その場に立ち会った人も、
そうでなくても映像で見たことがある人は、すごい多いと思う。
だからビックリしたし、ギョッとしたし、心は一瞬ぎゅっとしたけど
私は、なんだろう、大丈夫だ、と思いました。
何故なら、Coccoがそう言ったから。
例えこの先、数年間また活動が無かったとしても、次いつCoccoの歌が聞けるのか、わからなかったとしても
Coccoが言ったから、私たちは大丈夫。大丈夫なのではないかと。
まあ、14日のライブがあったからこそ、そう思えたってのも絶対にあるけどね!笑


バンドの皆さんは、演奏が終わった後全員で手を繋いでお辞儀をしていました。ほのぼのしました。



サティさんのお声がけでファン一同で送ったお花。
20周年バルーンも、彩りもめちゃくちゃかわいかった!
私も参加させてもらいました。ありがとうございました!



終わったのが20時50分くらい。本当にあっという間過ぎて、とんでもなく幸福な二時間ちょっとでした。




長くなったので、二の巻と記事を分けます。